格付とは?国債の格付けをわかりやすく解説

格付というものを、投資していると聞いたことがあると思います。

23年格付け会社のフィッチレーティングが米国債をAAAから一段階格下げしました。

では、今回格付について。また、国債との関係などを解説していきます。

格付はなんのためにあるのか

格付は信用格付ということもあります。

これは国の信用力。つまり、国債の利金や元本を支払う確実性を表しています

そして、そのための記号としてAAAやBBと言ったアルファベットでの表記がされています。

まず、なぜ格付けを行うのでしょうか。

なぜ格付けを行うか

第一に、それぞれの国々が財政情勢や経済環境は異なります。しかし、それらが皆一律の利息で借入はできませんよね。

格付けとは、発行体から見ると金利を決定するための指標となります。

そして、私たちのような投資家からすると、その債券の信用リスクを測るための判断材料となりますね。

格付の主要機関は3つ

格付をする機関はいくつかあります。まず、世界的に有名なのは3つ。

さらに、S&Pグローバルとムーディーズの地位は高いですね。

そして、日本には

  • 格付投資情報センター(R&I)
  • 日本格付研究所(JCR)

これらが存在します。

マネックス証券

格付の表を見てみましょう

ムーディーズは表記が違いますが、大きな変化はありません。

そして、S&P・ムーディーズ・フィッチすべてが同じ格付けをしているわけではありません。

例えば、米国はS&P・フィッチはAA+。ムーディーズはAAAとしています。

実際に債券が発行されるときは複数社の格付けのうち、より厳しい格付で判断されることが多いと言われています。

各格付の評価

さて、AAAやAAやBBなどたくさんありますがどのように見るとよいのでしょうか。

次に、それぞれの格付けに対する評価を見ていきましょう。

  • AAA・・・信用リスクが最低水準にある債務。
  • AA・・・・信用リスクが極めて低い債務。
  • A・・・・・信用リスクが低い債務。
  • BBB・・・・一定の投機的な要素を含みうる債務。
  • BB・・・・・相当の信用リスクがある債務。
  • B・・・・・・信用リスクが高いと判断される債務。
  • CCC・・・・信用リスクが極めて高い債務。
  • CC・・・・・非常に投機的。デフォルトに陥っているか、それに近い状態も一定の元利の回収が見込める債務。
  • C以下・・・・・デフォルトに陥っており、元利の回収の見込みも極めて難しい債務。

現在AAA格をキープしているのは9か国(23年8月時点)

では、現在どんな国がAAAという最上格を持っているのでしょうか。

現在大手全てがAAAなのは9か国となっています。(23年8月時点)

AAA格の国

オーストラリア・デンマーク・カナダ・ドイツ・オランダ・スウェーデン・ノルウェー・シンガポール・スイス。

しかし、これらの国を見て意外に思われた人もいるかもしれませんね。

財政収支などがしっかりしている国ほど高格付となりやすい面があります。

doda

一般的に投資に適しているとされているのはBBB格まで

たまに、どこどこの国が格下げというニュースがでます。しかし、実際の影響は1段階ではそこまで多くありません。

ここで、重大なポイントとなる場面があります。

それがBBB-(Baa3)かBB+(Ba1)か。

実は、この差は一段階ですが非常に大きな差があります。

BB+以下になると一般的には投資に適さない非投資適格という扱い、いわゆるジャンク債扱いとなります。

例えば、デフォルトを繰り返しているアルゼンチンや、ウクライナ戦争による各国の締め付けで部分的デフォルトとなったロシアはCの格付けがされています。

格付けが下がるという事はどういうことか

格付けが低いということは、信用リスクが高いということ。

つまり、利金が支払われなかったり、本来満期時に支払われる元本が正しい形で戻ってこない懸念があるということです。

でも、お金が返ってくるかどうか不安な国になかなか積極的に投資しづらいですよね。

つまり、そのような信用リスクが高いことから、低格付けの債券利回りは高くしないと保有してもらえなくなるということですね。

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「外国通貨建て債務」と「自国通貨建て債務」に分かれる

次に、各国の格付けには、ドル建てなど自国以外の通貨で発行する「外国通貨建て債務」と「自国通貨建て債務」と分かれます。

外貨建て通貨は主にドル建てで発行されるものが多いと考えられます。しかし、新興国などを中心に通貨安の影響が考慮される部分があります。

よって、外国通貨建て長期債務のほうが格付が低くなりがち。それでも外国通貨建て長期債務を選択する国が多い。なぜでしょうか。

理由を見ていきましょう。

外貨通過で発行する理由とリスク

もし100万ドルの債券を円建で発行した場合。1ドル100円で発行したら1億円です。

しかし、通貨安になり1ドル150円になると1.5億円と返済負担が増加します。

特に新興国は基盤が弱いため通貨安のリスクを意識する必要があります。

では、自国通貨で発行すればいいじゃないか、となりますよね。

しかし、よくわからない国の通貨の債券を好き好んで買う人ばかりでしょうか。

やはり通貨としての安心度という面もあり、ドル建てなど外国通貨建てで発行する国するほうが投資家も買いが集まりやすいです。特に新興国は、自国通貨より外国通貨で発行する国のほうが多いですね。

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23年米国債格下げのニュース

23年8月1日、格付け会社のフィッチレーティングス

米国債をAAAからAA+に格下げ。

5月末に、引き下げの可能性を検討と発表をしていました。そして、発表から約2カ月、忘れかけていたころの格下げ発表となりました。

フィッチの格下げ理由

米政府の債務負担が増える見通しに加え、債務上限の引き上げを巡る「度重なる政治の膠着と土壇場での解決が示す(米国の)ガバナンスの低下」を指摘。

米国債の格付けを格下げられるのは2011年以来12年ぶりのことです。その当時は米国債ショックというものがおき、市場は混乱しました。

コラム:フィッチ格下げ、米国債は「灰色のサイ」になるのか=大槻奈那氏 | ロイター (reuters.com)

まとめ

投資における格付けは、主に債券投資を行う上で信用リスクを測る判断材料に

さらに、企業が発行する社債にも同様な信用格付があります。

ちなみに、日本の格付けは現在A1(A+)となっています。

格付けを参考にした債券投資も、運用方法の一つですよね。

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