アメリカの雇用統計をわかりやすく解説

雇用統計はアメリカの経済指標でも、最も重要な一つです。

今回は、その仕組みなどについてわかりやすく解説していきます。

雇用統計の仕組み

まず、雇用統計は、アメリカ労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics, 通称BLS)が12日を含む週の雇用状況を調査しているものです。

計測期間から3週間後の金曜日(翌月の第一金曜日になる場合が多い)に発表されます。

基本的には、毎月最初の金曜日と覚えておけば大きな問題はありませんね。

さて、雇用統計は二つの主要な調査に基づいています。

特に、字が大きくマーカーのある項目が重要視されています。

まず一つ目は、家庭調査(Household Survey)

  • 対象:約60,000世帯を対象にしたアンケート調査。
  • 主な項目
    • 失業率(Unemployment Rate):労働力に対する失業者の割合。
    • 労働力参加率(Labor Force Participation Rate):労働可能人口に対する労働力(就業者と失業者)の割合。
    • 就業者数(Number of Employed Persons):仕事を持っている人の数。

次に、事業所調査(Establishment Survey)

  • 対象:約14万事業所を対象にしたアンケート調査。
  • 主な項目
    • 非農業部門雇用者数(Nonfarm Payroll Employment):農業部門を除く全業種の雇用者数。
    • 平均時給(Average Hourly Earnings):時間当たりの平均賃金。(前月比と前年比と発表されてどちらも注目されています。)
    • 平均労働時間(Average Workweek):週当たりの平均労働時間。

また、雇用統計は、企業が景気の影響を受けた後に労働者の調整を行うため遅行指数に分類されます。

ここからさらに人種別・男女別、業界別、働き方別など多岐の項目別に示されていきます。

しかし、普段見ていくうえでは、全体感だけで問題ありません。

雇用統計の発表からどう考察するか

では、実際のモノを見てみましょう。これは、24年7月に発表されたときの数字です。

大事なのは、予想と比べてどうだったかと前回と比べてどうだったか。

これにより、労働市場の現状を図っていきます。

では、なぜ雇用統計が注目されるのでしょうか。

FRBが雇用統計を注目する理由

さて、アメリカ連邦準備制度理事会(Federal Reserve, FRB)は、金融政策を実施する際に雇用統計を非常に重視します。では、その理由は次にみていきます。

デュアル・マンデートFRBは2つの主要目標をもち、それに向けて活動をしていきます。

  • 雇用の最大化:可能な限り多くの人々が仕事を持っている状態を目指す。
  • 物価の安定:インフレを抑制し、通貨の価値を安定させる。

つまり、雇用統計は、雇用の最大化に向けてどんな状況か図るための指標として注目されます。

経済の健全性の指標

雇用統計は経済全体の健全性を示す重要な指標です。つまり、高い雇用率や安定した賃金の増加は、経済が着実成長していることを示します。

金融政策の判断材料となる

しかし、雇用の状況が強すぎるなら、FRBは景気過熱を防ぐために政策金利を引き上げる必要も。逆に、雇用の状態が弱く景気減速や後退を示唆するなら、景気を刺激するために金利を引き下げるなど政策判断に影響を与える効果がありますね。

FOMCでも注目されているのが分かります

FOMCでは、3か月に一度経済の見通しを示す発表がなされます。その時に失業率の見通しを発表するなど、FRBが雇用状況を重視していることが感じられますね。

https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomccalendars.htm

The Fed – Meeting calendars and information (federalreserve.gov) より

これは24年6月FOMCで発表されたデータです。

そして、赤枠は失業率の項目です。FRBがこの先どうみているのかがわかる材料として注目されていますね。

ADP雇用統計との違い

一方で、雇用を示す経済指標にはADP雇用統計というものがあります。

ADP雇用統計(ADP National Employment Report)は、ADP社(Automatic Data Processing)が毎月発表する民間部門の雇用レポートです。

では、政府BLSの発表と何が違うのか比較していきます。

ADP雇用統計とBLS雇用統計の主な違い

発表主体

  • BLS雇用統計:アメリカ労働省労働統計局(BLS)
  • ADP雇用統計:民間企業であるADP社

調査する範囲

  • BLS雇用統計:民間部門に加え、政府部門や非営利団体の雇用者数も含む。
  • ADP雇用統計:民間部門の雇用者数のみ対象

データの収集方法

  • BLS雇用統計:先述の家庭調査と事業所調査という二つの異なる調査方法を組み合わせて収集。アンケート調査が中心、幅広く調査。
  • ADP雇用統計:ADP社の給与管理サービスを利用する企業から収集したデータを基に調査。実際の給与データに基づく。

発表タイミング

  • BLS雇用統計:基本的に、毎月の最初の金曜日に発表されます。
  • ADP雇用統計:毎月の最初の水曜日に発表。政府の雇用統計が発表される2日前となることが多く、政府の結果を占うものとして注目されます。

発表される項目

  • BLS:非農業部門の雇用者数、失業率、平均時給、労働力参加率など、幅広い指標を含みます。
  • ADP:主に非農業部門の民間雇用者数の変動と時給を示します。

そして、ADPについてはこちらの記事も参考にどうぞ。

ADP雇用、雇用統計の前哨戦。ポイントや変更点をわかりやすく解説します – みみるの資産形成 (mimiru-investment.com)

まとめ

さて、アメリカの雇用統計は、FRBの最大限の雇用と物価の安定という目標を達成するために、重要な指標として注視しているのをみてきました。

つまり、雇用統計の結果によって、今後のFRBの金融政策の方向性が大きく影響を与えることになるため、経済全体に対するインパクトも非常に大きく市場としても注目度が高いという事ですね。

よって、今後も発表をしっかりとチェックしていくことが大事です。

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