顧客中心主義、これを理念とするSBIアセットマネジメントから日本株高配当の新ファンドが発表されました。今回、このファンドについて詳しく解説していきます。
SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)とは
まず、基本情報を見ていきましょう。
- 名称:SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)
- 募集:2023年12月4日から11日
- 運用:2023年12月12日から
- 販売手数料:ゼロ無料
- 信託報酬:0.099%
- 決算日:毎年1・4・7・10月の各10日で年4回。
- 銘柄見直し:最低でも四半期に1回
- 新NISA:成長投資枠採用
では、どんな銘柄がファンドに採用されていくのでしょうか。
銘柄選定の基準
次に、ファンドの銘柄選定方法についてみていきます。
- ポートフォリオの予想配当利回りが市場平均を上回るようにする。
- 配当の状況・ファンダメンタルズ要因・株価のバリュエーションも考慮。
- 運用開始時は30銘柄を想定。
- 時価総額 1,000 億円程度以上の銘柄。
- 収益性やROEなどの観点も注目。
ついに、アセットマネジメントから想定銘柄が発表されました。
当初想定の構成銘柄一覧
12月1日SBIアセットマネジメントからレポートが発表。
想定する構成銘柄が発表されました。
これを見ると高配当投資家も良く取り組む銘柄も見られますね。時価総額も1,000億円以上の大型株で揃えられています。ここからどんなポートフォリオになっていくのか楽しみです。
そして、注目の想定配当利回りですが
なんと4.57%
12/1時点の東証プライム全銘柄における配当利回りは2.24%。
つまり、プライムの倍くらいの配当利回りの想定ということですね。
利回りだけじゃないモデルポートフォリオは年14.4%のパフォーマンス
2013年10月から10年の運用では、TOPIXも大きく上回っている様子。つまり、高配当かつ値上がりもとれるいい運用成果になっています。
もちろん、この結果が今後も保証されるわけではないのでしっかり考えたいですね。
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そして、このファンドの凄いところは顧客中心主義。
私たち投資家にとって、信託報酬の大小が投資パフォーマンスに影響を与えますよね。
このファンドの信託報酬は、アクティブファンドに関わらずなんと年0.099%。
実は、2023年12/1時点で日本株ファンドの信託報酬最低値。
現時点の日本株ファンドの信託報酬は
SBI・iシェアーズ・日経225インデックス・ファンド(サクっと日経225)が年0.11%と最低でした。しかも、これは日経平均というインデックスファンド。
つまり、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)は0.1%を切る最初の日本株ファンド、ということです。
東証の方針を受けた低PBR解消への期待も
さて、2023年3月東証は資本コストや株価を意識した経営の促進に向けて、
プライム市場・スタンダード市場の全社に次のような内容を要請を行いました。
- 自社の資本コストや資本収益性(ROEやROIC)を的確に把握。内容や市場評価(株価・時価総額・PBR・PER等)に関し取締役会などで現状分析し評価すること。
- 資本収益性や市場評価に関して、改善に向けた方針や目標・計画期間・取り組みについて検討、策定し内容について投資家にわかりやすく開示すること。
- 計画に基づき、資本コストや株価を意識した経営を推進すること。
- 毎年(年1回以上)進捗状況にちて分析を行い、開示をアップデートすること。
- 特にPBR1倍割れの場合には、十分な対応が求められる旨を明記。
日本は3月時点で主要500社でもPBR1倍割れが4割に上っていました。
アメリカS&P500は5%程度、欧州STOXX600でも2割程度。
つまり、日本は突出して多いということですね。
東証も今後、各社の取り組み状況など公表予定となっています。
東証の要請を受けた各社の動きの例
ここでは、東証のPBR1倍割れ問題に対する各社の動きの例を抜粋して紹介。
まず、東亜合成です。
2025年度を最終年度とする中計経営計画の期間中、総還元性向100%をめどに株主還元を実施すると発表。
次に、シチズン時計。
東証の方針を考慮し、発行株済み株式の25.6%にあたる自社株買いを発表。
などなど、各社が方針を出してきています。
自社株買い・増配・設備投資。これらを通じて溜め込んだ内部留保を活用し、価値を向上させに行く流れはしばらく続くことが期待されます。
このファンドのコンセプトにプラスにもなってくることを期待したいですね。
顧客中心主義へのSBIホールディングスの考え
そして、大事なのは顧客中心主義を徹底するSBIHD北尾社長の考え方です。
ここでは、SBIHD北尾社長のメッセージをお借りしております
SBIグループは、創業時から「顧客中心主義」の徹底、「公益は私益に繋がる」という理念を掲げ、消費者や社会など広くステークホルダーのためになる活動を行い、それが結果として自社の利益にも繋がることを実践することで発展してきました。一時的な利益だけで発展する企業も中にはあるかもしれませんが、基本的に事業とは「徳業」でなければ長期的に存続し得ません。「世のため人のため」になる企業こそがサステナブルな企業と言え、これは正に先に述べたESG経営の考え方と軌を一にするものです。
2000年よりも前に、インターネット証券なんて無理だと言われながらも顧客中心主義を掲げ、理念を進めた北尾社長。アセットの取締役やウエルスアドバイザーの社長の朝倉氏らも賛同されているようですね。
そして、SBIは2023年9月には証券総合口座1,100万口座達成まで成長。
いまでは、毎月何万件という規模で新規口座開設、そしてNISA口座開設がすすんでいるようです。
顧客中心主義により、競合やETFよりも低コストを実現
顧客中心主義、この徹底により似たファンドを持つ他社よりもコストを抑えられています。
まず、iFree NEXT 日経増配株指数(大和アセットマネジメント):信託報酬0.451%。
もちろん、指数活用している大和とこのファンドは組入銘柄も違うので、中身も見比べていきたいですね。
次に、1489NEXTFUNDS日経平均高配当株50指数連動型ETF:信託報酬0.308%。
さらに、三菱UFJアセットの日経平均高配当利回り株ファンドは信託報酬0.69%。
信託報酬だけですべてが決まらないですが、今回の0.099%というのが非常に凄い数値というのがわかります。
まとめ
今回、SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)についてまとめていきました。
その上で、SBIHDの顧客中心主義について、さらに東証の方針も取り上げていきました。
内心、日本の高配当株ファンドのなかでは頭一つ二つとびぬけたのではないかと感じています。もちろんリスクもありますし、今後のことはわかりません。
しかし、ポートフォリオを構築する上で検討してみたいファンドだと思います。
また、日本株での高配当株投資をしている人も検討してみてもいいかも。
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どのような運用成果を目指していくのか、上記にもまとめていますがゴールを見据えたポートフォリオ構築も大事です。
いつも応援ありがとうございます。
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