クロス取引を活用し株式優待ゲットするポイント

クロス取引、日本株の株式投資の醍醐味の一つに株主優待があります。

株主優待の取得に効果的なクロス取引について説明していきます。

まず株主優待のしくみについて確認しよう

株主優待は、各企業が株主集めや企業イメージの浸透などの戦略によって行われている、還元策の一つ。

・配当と同じく、権利付き最終日に保有したまま、権利落ち日を迎えると、自社商品などの品物が送られてくるというものです。

でも

・株主優待が貰えるのは嬉しいけど、株価が下がったらどうしよう

そんな不安もあると思います。そのような時に活用するのがクロス取引なのです。

クロス取引の仕組み、どのように取引をするのか

株主優待のクロス取引とは…

①ほしい株主優待の銘柄の株を現物取引で買う(自分のお金で優待の株を買う)

②信用取引の信用新規売り、空売りで同じ株を売る(株を借りてきて、それを売る)

この2つの取引を同じタイミングで行うことを言います。

①と②は逆の動きをするので、現物株が100円下がっても、空売りが100円上がるというように値動きを相殺させることでリスクを抑えようとするものです。

クロス取引で注意しなければならないポイント①

便利に見えるクロス取引ですが、注意しなければならない点もいくつかあります。

🌸信用売りができない銘柄もある。

全ての銘柄が信用売りができるわけではありません。

どうやって確認すればいいの?

これはSBI証券のスマートフォンアプリの画面です。

4661オリエンタルランドを表示させています。

確認方法は

①右上のiマークを押す。

②制度信用・無制限信用・短期15日のいずれかに〇がついているか。

オリエンタルランドは制度信用に〇がついているため信用売り、空売りがができるということです。

証券会社によって見方は変わると思うので確認してみてください。見るべき点はおおよそ同じです。

クロス取引で注意しなければならないポイント②

信用売りは株を誰かから借りてくるわけなので、場合によっては借り入れコストがかかります。

逆日歩といわれ、株を借りて信用売りをしたい人が殺到すると、一気にコストが高まる可能性があります。

逆日歩ランキング (gyakuhibu.com) より

これは3月の権利での逆日歩ランキングです。

優待目当てなど空売りが殺到し逆日歩が発生していますね。この金額は1株当たりなので、100株なら100倍する必要があります。

例えば、2291福留ハムは5,000円分の優待が貰えるのですが、逆日歩が3,040円発生しています。

7678のあさくまも4,000円分の優待を貰うのに2,560円の逆日歩というコストが発生しています。

逆日歩はいくらになるか、終わってみなければわからないという怖さがあります。

そんなリスクを取るのは怖いですよね、そこで活用するのが一般信用取引です

一般信用取引を活用したクロス取引

まず信用取引には大きく2種類あります。

①制度信用 ②一般信用の2つです。

よく使われているのは①の制度信用が多いのではないでしょうか。

信用売りの場合で、違いを表すと次のようになります。

制度信用取引一般信用取引
どこから借りる?証券金融を通じる対証券会社
取扱銘柄数2,272(21年末時点)証券会社によって異なる
保有する期限は?6か月証券会社が決める
逆日歩は?発生することがあるなし
金利低め高めになることも

クロス取引で大事なのは、取り扱い銘柄数と逆日歩があるかどうか

先ほど大きなリスクに見えた逆日歩は一般信用取引では発生しないという特徴があります。

先ほど大きなリスクに見えた逆日歩は一般信用取引では発生しないという特徴があります。であれば、全部一般信用でと思いますが、ここで取り扱い銘柄数の問題があります。

制度信用では2,272銘柄が21年末時点で貸借銘柄として信用売りができるようになっています。

それに対して一般信用取引の取り扱いは証券会社によって大きく変わる点に注意です。

SBI証券…クロスに使えない日計りを除くと189銘柄(22.8.1時点)

楽天証券…クロスに使えない、いちにち信用を除くと、1,285銘柄

SMBC日興証券…2,000銘柄程度あるらしいです。

証券会社によって大きな差がある事がわかりますね。

一般信用取引で気を付けておきたいこと

先ほど見たように、一般信用取引は証券会社によって、取り扱いに大きな差があります。

もう一つ注意したいのは、“証券会社の在庫”です。

借りられる株がなくなってしまえば、取引をすることができません。

特に株主優待の権利が迫ってくると、人気の銘柄はすぐ売り切れになったりします。

狙っている株主優待銘柄があるときは早めにチェックしておかなきゃね

クロス取引で注意しなければならないポイント③

次に注意したいのは、発注するタイミングと発注方法です。

取引時間中のクロス取引は“相場操縦”とみなされる恐れがあるので、寄り前や引け後など相場が動いていないときに注文を出すことがおすすめです。

また売りと買いだけ別で株数が同じだとエラーで弾かれる証券会社もあります。

例)現物100株成行き買いと、信用新規100株成行き売り。

このような時は①買い注文は高めの指値、売り注文は低めの指値注文をする。②寄り前なら片方を寄成という注文で出してみる。といった方法で対処できます。

同じ100株の注文でも成行と寄成で使い分けたパターンです。

クロス取引で注意しなければならないポイント④

そして最後に大事なポイントは、権利確定後の決済です。

無事株主優待の権利付き最終日を超え、権利落ちとなりました。その時にはクロス取引を決済するというとても大事な作業があります。信用取引で借りてきた株式を返さなければならないのです。

といってもやることは簡単で、“現渡”という処理を行うことで、今持っている現物株を使って株を返す手続きをします。金利などを引いた分が、お金として戻ってきてこれにてクロス取引が終了します。

ここから現渡注文を行ってクロス取引を終了させます。

あとは届くのを待つだけです🌸

まとめ

株主優待のクロス取引の仕組み、方法やポイントを確認しました。

🌸可能なら一般信用を使った方がいい。(人気の銘柄は証券会社の在庫切れに注意)

🌸相場操縦が疑われないように、取引時間外に注文を出す方がいい。

🌸権利落ち日には忘れずに現渡決済をする

最初、慣れるまでは戸惑う部分もあるかもしれませんが慣れれば決して難しくありません。上手く活用して、株主優待を貰いたいですね。

信用口座はある程度の経験が必要だったりするので開設する時は注意してね。

あと株主優待の要件に半年や1年の期間保有が必要な銘柄には使えない点もね。

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