相場格言、投資の世界には経験則から生まれるアノマリーというものがありますが
干支にもそれぞれ相場格言が存在するのはご存じですか?
今回は、そんな干支の相場格言と実際の動きはどうだったかをみていきます。
※1960年からの年間騰落率でみていきます。
干支と相場格言一覧
このようになっています。実際に各年がどうだったのか見ていきましょう。
みなさんの生まれの干支を確認しているのも面白いかもしれませんね。
子:ねずみ年は”繁栄”の相場格言の通り堅調な年が多い
子は繁栄、繁栄と聞くと上昇相場のイメージが浮かびそうですよね。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1960 | -2.97% | 55.07% |
1972 | 15.6% | 91.41% |
1984 | 1.40% | 16.67% |
1996 | 20.27% | -2.55% |
2008 | -38.48% | -42.12% |
2020 | 16.26% | 16.01% |
平均 | 2.01% | 22.42% |
これをみると、ネズミ年は2008年のリーマンショックが影響し、大ダメージを受けることもありましたが、10%以上の上昇となる年が日米共に多かったことがわかります。
繁栄の名に違わぬ成績と言っても良さそうかもしれませんね。
丑:うし年は”つまずき”も相場格言を覆す
丑つまずく、というと何かあまりいいイメージが湧かず下落してそうですよね。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1961 | 23.13% | 5.59% |
1973 | -17.37% | -17.09% |
1985 | 26.33% | 13.34% |
1997 | 31.01% | -21.19% |
2009 | 23.45% | 19.04% |
2021 | 26.89% | 4.91% |
平均 | 18.91% | 0.77% |
丑つまづく、といいつつも米国株はこれまではかなり好調な結果を残していますね。
一方、日本株は大きなマイナスを2回、平均すると0.77%とつまずきと行かずとも難しいイメージとなりますね。
寅:とら年は”千里を走る”実際は・・・?
寅年は”千里を走る”といい良さそうなイメージですが、実際は
「勢いよく走り抜けるため相場は波乱になる」
と言われたりします。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1962 | -11.81% | -0.85% |
1974 | -29.72% | -10.91% |
1986 | 14.62% | 42.94% |
1998 | 26.67% | -9.29% |
2010 | 12.78% | -3.02% |
2022 | -19.44% | -9.37% |
平均 | -1.15% | 1.58% |
S&P500は毎回10%以上上下しており、波乱が起きている様子が感じられますね。
日経平均も下落が多く1986年の上昇がなければ、かなりマイナスとなってしまいますね。
寅年の格言、千里を走る、波乱が起きがちはあながち間違いでもないかもしれません。
卯:うさぎ年は、”跳ねる”跳ね上がれるか
うさぎ年はぴょんぴょん跳ね上がる卯跳ねるという格言です。
跳ねるというと上昇しそうなイメージになりそうですよね。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1963 | 18.89% | -13.75% |
1975 | 31.55% | 13.17% |
1987 | 2.03% | 15.31% |
1999 | 27.25% | 36.79% |
2011 | 0.00% | -17.33% |
2023 | ||
平均 | 15.94% | 6.84% |
S&P500をみると、この5回のうさぎ年では目立つ下落はなし。大きく跳ね上がってくれた年もありますね。
日本株も、2011年は東日本大震災の影響もあったせいか下落が強いですが、上昇した年はしっかり上昇しているのが伺えますね。
卯跳ねるの格言は期待したくなりますね。
辰・未:たつ年とへび年、合わせて”辰巳天井”
辰年・未年は合わせて辰巳天井という言葉があり
このあたりは非常に力強い相場と言われます。
と投資家にとってはピーク?逃げ時か?と思わせたりもするる相場格言ですね。
まず辰年の動きから見ていきましょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1964 | 12.97% | -0.70% |
1976 | 19.15% | 14.94% |
1988 | 12.40% | 39.86% |
2000 | -10.14% | -27.19% |
2012 | 13.40% | 22.94% |
2024 | ||
平均 | 9.56% | 9.97% |
続けて未年の動きも見ていきます。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1965 | 9.06% | 16.55% |
1977 | -11.50% | -2.51% |
1989 | 27.25% | 29.04% |
2001 | -13.04% | -23.53% |
2013 | 29.61% | 56.72% |
2025 | ||
平均 | 8.28% | 15.25% |
辰巳天井と言われるゆえんとしては
・1989年をピークに日本はバブル崩壊が始まったこと
・2000年ころからアメリカからITバブル崩壊が始まったこと
これらの歴史的暴落が絡んだこともあり、辰巳天井という言葉が付いたかもしれません。
それ以外では、2013年アベノミクスが始まり大相場を作り始めるなどいい年もありましたね。
次回は2025年のあと、何か悪いことが起きないことを祈りたいです。
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午:うま年は”尻下がり”、辰巳天井のあと売られがちな相場格言
午年は、尻下がりとなんだか引け安をイメージしそうな残念な格言です。
辰巳で天井を付けた株価がいよいよ下がっていくような感じですね。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1966 | -13.09% | 2.42% |
1978 | 1.06% | 23.35% |
1990 | -6.56% | -38.72% |
2002 | -23.36% | -18.62% |
2014 | 7.11% | 7.11% |
2026 | ||
平均 | -6.97% | -4.89% |
実際見てみると、弱い年が多いですね。
特に1990年は日本のバブル崩壊、2002年はITバブル崩壊という大きな下落
この影響はすさまじいですね。
未:ひつじは”辛抱”の年、午で下がった影響の落ち着きへ
ひつじ年は辛抱と言われます。午年で大きく下がった後の落ち着きのための期間ということかも。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1967 | 20.09% | -11.62% |
1979 | 12.31% | 9.46% |
1991 | 26.31% | -3.63% |
2003 | 26.38% | 24.44% |
2015 | -0.73% | 9.07% |
2027 | ||
平均 | 16.87% | 5.54% |
日本とアメリカで大きな差がついていますね。アメリカは種々の暴落を受けた後、急回復してきている印象が強く、日本は割と下落の余波が続いている印象ですね。
申・酉:2つ合わせて”申酉騒ぐ”と言われ荒い年
さる年・とり年は申酉騒ぐと言われ、相場の上下が激しく、値動きが荒くなりがちと言われます。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
まずは、申年から。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1968 | 7.66% | 33.61% |
1980 | 25.77% | 7.51% |
1992 | 4.46% | -26.36% |
2004 | 8.99% | 7.61% |
2016 | 9.54% | 0.43% |
2028 | ||
平均 | 11.28% | 4.56% |
続いて酉年。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1969 | -11.36% | 37.56% |
1981 | -9.73% | 8.76% |
1993 | 7.06% | 2.91% |
2005 | 3.00% | 40.24% |
2017 | 19.42% | 19.10% |
2029 | ||
平均 | 1.68% | 21.71% |
こう見ると比較的堅調に見えますが、実は年内のボラティリティが非常に高い年もあります。
うっかり高値掴み・安値売りをしないようにしたい年ですね。
戌:いぬは”笑い”と言われますが、苦笑かも
戌いぬどしは、戌笑うという相場格言から明るいイメージがあります。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1970 | 0.10% | -15.76% |
1982 | 14.75% | 4.36% |
1994 | -1.54% | 13.24% |
2006 | 13.63% | 6.91% |
2018 | -6.24% | -12.08% |
2030 | ||
平均 | 4.14% | -0.67% |
あまり”笑う”というほど笑顔の相場って様子ではなさそうな印象ですね。
亥:いのししは”固まる”比較的小動きになると言われるも…
最後に、亥いのしし年は”固まる”
相場が固まり小動きになるという相場格言ですね。
過去の日本株・米国株の動きはどうだったのでしょう。
S&P500 | 日経平均株価 | |
1971 | 10.79% | 36.57% |
1983 | 17.28% | 23.41% |
1995 | 34.11% | 0.74% |
2007 | 3.53% | -11.13% |
2019 | 28.88% | 18.20% |
2031 | ||
平均 | 18.92% | 13.56% |
固まる、というよりはかなりしっかりした動きをしていますね。
まとめ:アノマリーはアノマリーとして楽しむ
これまで干支それぞれの動きを1960年から追ってきました。
干支別の騰落率をまとめると以下のようになります。
確かに格言通りのような動きをしている年もありましたが、全くそうでない年も見受けられたり。
アノマリーはアノマリーとしてそういうこともある、と楽しむのが一番です。
それよりも、相場環境・金融政策などをみて売買を考えていくことが大事ですね。
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