2023年3月24日、投資信託たわらノーロードシリーズを運営する、アセットマネジメントoneから発表がありました。
低コスト・インデックスファンドシリーズ。たわらノーロードシリーズの一部ファンドの信託報酬を引下げ。
今回はたわらノーロードについて、内容。そして、他社の同種商品との比較を交えて解説していきます。
たわらノーロードとは
正直なところ、たわらノーロードってあまり聞きなじみのない方もいるかもしれません。
たわらノーロードはみずほ系の運用会社「アセットマネジメントone」が運用しています。
販売手数料ないインデックスファンドとして2015年にスタート。
つみたてNISAやiDeCoへの投資対象にも採用されたりと注目されています。
貯蓄から投資へという流れで、24年からの新NISAへ資金獲得を狙っていく様子が感じられます。
今回5種類、8ファンドで信託報酬を4/7から引下げ
さて、運用会社より以下のファンドが、引下げを発表されました。
効力発生は23年4月7日からです。
- たわらノーロード先進国株式
- たわらノーロード新興国株式
- たわらノーロード全世界株式
- たわらノーロード日経225
- たわらノーロードバランス(8資産均等型・堅実型・中間型・積極型)
これらの引下げで、23年2月末時点で現存する同種ファンドの中で業界最安値の信託報酬になります。
他のインデックスファンドとの信託報酬比較
では、他の会社の信託報酬はどうなっているでしょうか。一覧で見ていきましょう
たわらファンド | 現行信託報酬 | 新信託報酬(税込) | 現状最安値 |
先進国株式 | 0.10989% | 0.09889% | 0.1022% (SBI先進国株式) |
新興国株式 | 0.374% | 0.1859% | 0.176% SBI新興国株式 |
全世界株式 | 0.132% | 0.1133% | 0.1144% オールカントリーなど |
日経225 | 0.187% | 0.143% | 0.143% paypay日経225 |
バランス (8資産均等型) | 0.154% | 0.143% | 0.154% eMAXIS Slim |
バランス 堅実型標準型積極型 | 0.242% | 0.143% | 比較できず |
引き下げの結果、先進国株式・全世界株式・バランスでは単独で最安値。
日経225はpaypay投信とならんで最安値となります。
新規設定される、たわらノーロードS&P500
さらに、アセットマネジメントoneは新規にたわらノーロードS&P500を設定します。
現在、日本最大の投資信託で信託報酬の低いファンドといえば
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。
昨年、ブラックロックがiシェアーズ 米国株式S&P500の信託報酬引き下げを発表しました。
0.4125%から0.0938%と大幅引き下げとなり業界最安値でした。
しかし、それに反応したかのようにeMAXIS Slimも23年3月15日に信託報酬を0.0968%から0.09372%に引き下げられることが発表されました。
そのようななか、今回のたわらノーロードS&P500は0.09372%と照準を合わせてきました。
S&P500のインデックスファンドならeMAXIS Slimの流れに歯止めをかけられるか注目されます。
S&P500はeMAXIS Slimの一強状態へ、立ち向かえるかどうか
今後、他の運用会社も動いてくるかどうか
2024年から新NISAが始まる予定です。
新NISAではこれまでの非課税期間5年、つみたてなら20年という運用期間がなくなります。
非課税期間が無期限となったことで、運用会社としても資金を囲い込みたいという動きがでてくるかもしれません。
しかし、インデックスファンドなので投資対象で差をつけることができません。
よって、差をつけるには信託報酬引下げとなるかもしれませんね。
eMAXIS SlimやFund-i、ニッセイなどインデックスファンドをもつ運用会社の動向に注目したいですね。
ここまでくると差はわずかなものかも
信託報酬引き下げは嬉しいものですが、ここまで引き下げも0.1%程度のもの。
もはや差は誤差といえるレベルです。
1,000万円で0.01%信託報酬が変わる事で、年10,000円変わる。
さらに、下がったとしても0.1%未満の世界になってくるかもしれません。
よほど大きな差が出るという事でない限り、最安値を狙って乗り換えは非効率的かもしれませんね。
まとめ
今回アセットマネジメントoneのたわらノーロードシリーズの信託報酬引き下げについてまとめました。
多くのたわらシリーズが実質業界最安値となりましたが、今後他社も追随する可能性は否定できません。
しかし、なかでも先進国株式や全世界株式、米国(S&P500)などは、歴史的に堅調に推移してきたインデックスファンド。微妙に信託報酬が違ったとしても、それ自体が運用成果に大きな差を生むものではなさそうです。
情報収集しながら、長期投資について考えていきたいですね。
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三菱UFJ国際のeMAXIS Slimシリーズや野村のfunds-iシリーズと似たイメージです。