22年7月FOMCでは75bpの利上げが行われました。おおよそ市場の予想通りでしたね。
そのあとのパウエル議長の会見で株価は大きく急騰。通貨ドルは急落しました。
どのような発表や変化があったのか確認していきましょう。
そもそもFRB、FOMCとはどういうものなのか確認しましょう
FRBはアメリカの中央銀行(Federal Reserve Board)の略で日本でいう日本銀行(通称:日銀)にあたります。
FRBが担っている2つの役割は、
・物価の安定
・雇用の最大化
があります。
これらの目標を達成するために、どんな金融政策を打つか考える会議となるのがFOMCとなります。主に金利の変更、市場への資金供給の調節を行っています。
6月FOMCの振り返り、75bp利上げは27年ぶりの利上げ幅
まず前回22年6月のFOMCを振り返ります。
6月はCPIが予想を上回る高い数値となり、インフレピークアウトは遠い、と市場を震撼させました。
この時は直前まで100bpの利上げがあるのではないか、と市場が不安になったところ、直前で75bp観測に急転換したという背景でしたね。
3か月ごとのドットチャートも大きく上振れし、利上げペースの加速も懸念されました。
つまり利上げを早い段階で一気に進め、再来年は利下げへ向かおう。というスタンスに変化。
また声明では「インフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットする」という文言が追加。
逆に「インフレは2%に回帰する」という文言は削除され、長くインフレ退治を重視する姿勢が強まったと言えますね。
しかしパウエル議長は
「0.75%の利上げについて、この規模の利上げが頻繁に行われるとは考えていない」との考えを示し、7月は50bpもしくは75bp、その後は正常な利上げに移ると発言しています。
そして今回行われた7月FOMCでの75bpの利上げ
事前予想も75bp利上げが75%を占めていたので、利上げ幅自体にはサプライズはなかったと思われます。
政策金利は2.25-2.50%となり中立金利水準に。
6月分CPIが高水準だったこともあり、100bpも検討されたようですが、75bpに落ち着き。
前回のCPIはこちらの記事で確認できます。
[米国株]6月アメリカCPI、予想を上回りインフレはどうなる – みみるの資産形成 (mimiru-investment.com)
注目されたのはパウエル議長の会見や声明文ですね。
🌸今後もインフレ抑制を優先して金融政策を行う。
🌸今の経済について:生産や消費は「軟調」、雇用「堅調」、インフレ「高水準」と認識。
🌸データしだいでは9月会合でも同様の利上げをはあり得ると発言。
🌸またアメリカ経済は現在リセッション(景気後退)には陥っていないと発言。背景に、経済指標の鈍化は認めつつも労働市場の堅調さがあるというところをあげていましたね。
記者にリセッションの定義について聞かれ、
「それを決めるのはFRBじゃない」と少し怒ってましたが💦
🌸利上げの進捗でインフレの影響を見ながら、利上げペースを落とすことが適切になる可能性と発言しペースダウンに言及。
これは今までになかった部分で、初めて言及した形です。年内にも利上げが終了するのではないか、とハト派に受け止められたことが株式市場を好感させた様子ですね。
🌸ガイダンスは今後行わない、市場に事前に織り込ませるよりは、データなどをギリギリまで集め判断していくスタンスに。
まとめ:次回FOMC9月に向けて注目したいところ
次のFOMCは9月20.21日の2日間で行われる予定です。
現在の利上げ予想はこのようになっていますが、まだ次回まで2か月程度の日数があります。
注目したいのは
・7月と8月のCPIの数値
・ジャクソンホールでのパウエル議長の講演
・消費者信頼感などの景気動向
今回のFOMCで今後の利上げペースの鈍化に言及もインフレが高水準で続けば、それは実現できませんよね。一方で景気が思った以上に減速してしまうことも利上げしづらくなる要因となります。
現状は、まだインフレが収まったわけでも、景気がいいとも言えない状況。
ややパウエル議長がハト寄りに振れたFOMCでしたが、今後の数字次第では再度利上げ加速させる可能性も十分にあります。
警戒を解かず今後の経済指標などを見極めていくことが必要ですね。
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